ワインについての基礎知識

Posted on 7月 2, 2017 in 本社

みなさん、こんばんハロー。
無事に毎週続いていますよー、だってワタクシにはたくさんのゴーストラ…(しつこい)以下略。

 

はい!では、第六回のテーマを発表します。じゃじゃん!

「ワイン?なにそれ美味しいの?おいしいに決まってるじゃん」です。

今回は我々の本業のお話にもどってきましたよ。前回はかなりディープなお話を長々と書いてしまいましたからね。
今回はわかりやすく!簡潔に!いきます。

 

さて、第二回でお酒の分類について大まかにご紹介したのは記憶に新しいと思いますが、今回はそのなかの醸造酒、「ワイン」についてもう少し掘り下げてご紹介したいと思います。

これを読み終えたころに「ワイン飲みてえなあ」そして「ワイン美味しいかも」と思っていただこうと目論んでいます。

ワインは実は「地球上で最初に生まれたアルコール性飲料」だと言われています。

その歴史今からなんと5,000年も前。大昔ですね。古代シュメール人(だれそれ?誰でもいいんです、むかしの人です)が赤ワインや白ワインを作っていたことが記されている文献が存在するのです。

ちなみにですが、我が国でワイン造りが始められたのは明治時代です。シュメールちゃんたちに比べたらまだまだ日本人はひよっこですが、それでも140年程の歴史があります。

 

では、「ワインはどのように造られているの?」でしょうか。

 

その昔、ワイン造りは、「熟したぶどうを大きな桶に入れ、足で踏んで果汁を搾る」ところから始まりました。もちろん、現在その工程に関しては機械化されていますが、それ以外の醸造の過程は古代からほとんど変わっていないといわれています。

そして一般的に「ワイン造りの工程」は「赤ワイン造りの工程が原型」となっています。

 

秋、成熟し糖度が十分になった頃収穫されたぶどうは、房のまま除梗機で果梗(軸)が取り除かれます。
  ↓

ぶどうの実だけになりますね。
  ↓
そしてその実から、果汁を搾り、果皮、種子とともにタンクに入れて発酵させます。
  ↓
発酵後、圧搾機にかけて果皮と種子を取り除き、樽に詰めて熟成させます。
  ↓

その途中で、澱(おり)と呼ばれる沈殿物が出ます。
  ↓
その上澄みだけを別の容器に移し替える「澱引き」を何度かくり返します。
  ↓
熟成を終えたワインは、濾過処理により不純物を取り除かれ、びん詰めされます。

 

ざっと書きましたが、ワインが出来上がるまでを文章にしてみるとこれだけです。
でもこの文章と行間には様々なこだわりや苦労、工夫が詰まっているのです。
それが味わいであったり、値段であったりに反映してくるのでしょう。

そしてこれが工程の原型です。

これが白ワインとなると?お分かりですよね。色
がつかないわけですから「発酵前に果皮や種子が取り除かれ」ているのです。

ロゼワインについては製造法がいくつかありますが、「発酵の途中で果皮と種子を取り除く」方法、つまり赤ワインと白ワインの工程の中間、というのが一般的です。

熟成に関しても軽く。

びん詰め後にも貯蔵庫で熟成されるものもありますが、白ワインやロゼワインは比較的熟成期間が短く、最近では赤ワインでもフレッシュな軽い飲み口を楽しむ熟成の浅いものも増えています。
旬の味わいとして近年定着してきたボージョレ・ヌーヴォもそのひとつ。
みなさんにもすっかりおなじみですね、我々のお店で注文されることはほとんどありませんけど。

こうして造られるワインですが、製造方法によって種類を分類すると4種類。

まずはスティルワイン。

赤ワイン、白ワイン、ロゼワインなどほとんどがこのスティルワインです。要は普通のワインのことです。

 

次にスパークリングワイン。

こちらは発酵の際に発生する炭酸ガスの一部をワインの中に溶かした発泡性ワインのことです。
「スパークリングワインってシャンパンのこと?」と思っていらっしゃる方もまだまだ存在していると思いますが、半分正解半分間違いです。
シャンパンという言葉を一人歩きさせた日本の社会が悪いんですけどね。
シャンパンとは簡単に言うと「シャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのこと」です。
まあここまではちょっと泡を飲む人ならみんな説明できますよね。

でもこれからは次にいうことも加えてあげてください。
「シャンパンはね、造られ方が普通のスパークリングとは少し違うんだよ、スティルワインってわかる?あ、知らない?要は普通のワインのことをスティルワインっていうんだけどね、このスティルワインをまずビンに詰めるでしょ?その後にビン内で二次発酵させて造るんだ。二次発酵だよ?二次発酵。二次発酵って何って?そんなことはいいじゃない。飲もうよ」

今度ワタクシとシャンパンを飲むときはこれを言ってください。「それ俺のやつ!」ってツッコみます。でもシャンパンはおごります。

それましたね。
そしてそしてここからはワインをベースに造られる混成酒です。

フレーヴァードワイン。
スティルワインに風味づけしたもので、ベルモットやサングリアがこの仲間です。

 

最後にフォーティファイドワイン。
アルコールを強めたワインのことです。シェリー酒やポートワイン、マディラワインはこれに分類されます。

 

以上が製造方法別に分けたワインの名称です。

 

 

さて、ウンチクの話し方も軽く紹介しましたが、大事なことを言い忘れていました。

ワインの飲み方です。
これがスマートでないと、せっかくのウンチクも台無しですよね。簡単にご紹介しておきます。


まずはグラスの持ち方。

ワイングラスには脚がついていますが、そちらを持って飲むようにしましょう。
上部を持って飲んでしまうと手の熱がワインに伝わり、風味が変わってしまうからです。
お店によっては厳しく温度管理をしてそのワインの適正温度で提供してくれてますから、せっかくのおいしい状態を損ねることになりかねません。

そんな細かい違いなんかわかりませんって?
いいんです。簡単な方法でベストの状態をいただけるならそうしましょう。スマートであると周りからの接され方も変わりますし、そういう気分でお酒の味って変わるでしょ?

次にグラスを傾けてみて、色を見ます。

傾けることによって色が分かりやすくなります。
澱やゴミが入ってないかもチェックしやすいですよ。

そんな細かいことどうでもいいってって?
いいんです。どの色の味がどうかとかではなく、飲むものを知る、そういう意味で観察しましょう。ご飯でも人でも(いっしょくたにいいますけど)、知っているのと知らないのでは印象や味わいが全く変わってくるでしょ?


そして香りを確かめます。

まずはそのまま嗅いでみます。その後でグラスを回してワインを空気に触れさせましょう。
この動作をスワリングと言いますが、ちゃんと意味があるんです。
空気に多く触れさせることによって香りや味が豊かになります。
これをワインが開くと言います。一度開いたワインはそれ以上はあまり変化がなくなるので、回せば回すほど美味しくなるというわけではないのでご注意。

ちなみに回す方向にもルールがあり、右手に持ったワインは反時計回りに、左手に持ったなら時計回りに回します。これはもし勢い余ってグラスからワインが飛び出てしまったときに自分側に飛ぶようにするためのマナーですので知っておくといいと思います。
香りが開いたワインをもう一度嗅いでみて、香りを楽しみましょう。

最後に、口にワインを流し込むときは、初めは少量口に含み、舌の上に広げて口の中全体で味を感じます。
その後に飲み込んだあとの余韻を楽しみます。

あ、もしかして途中で流し読みしました?
でもしっかりした知識を持ったうえで崩すのと、知らないで崩れているのはどれだけ違うか知ってますよね?
「いってることとやってることがちがう」というのはベースに知識があるかどうかで180度変わるのです。

以上、簡単な飲み方のお話でした。

どうでしょうか、少しはワインを飲みたくなりましたでしょうか?
ぜひ、色んな産地や品種のワインを試して自分に合ったものを見つけてみて下さい。

 

 

 

今日は簡潔に書くぜ!とか言いながらなんだかんだで長くなりました。

でも、これはワインの総論。序の口。
まだまだ種類によっても国によってもたくさんの違いがあり、実に奥が深いのです。いつかこういうことも書きたいのですが、なんせワインが口に合わないワタクシにはこれ以上のことは書けませんし書いても説得力を伴いません。

「いってることとやってることがちがう」くなります。

 

次回(と言ってもまだ先ですが)は皆さんの「とりあえず一杯目は!」の代名詞、ビールについてお話ししたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。